受験合格までのスケジュール4:小学4~6年生~志望校に合わせた効率的な受験勉強が必要~
この記事は、中学受験を目指す子に必要なことを国語を中心にお伝えするものです。中学受験の準備はいつから?塾へはいつから通えばいい?といったことだけでなく、具体的な対策をご紹介しています。受験しない方にも参考になりますのでぜひお読みください。
小学4年生から本格的な準備が必要
中学受験は最も過酷といってよい
年々、枠組みや時代背景は変わってきていはいますが、私の知っている40年以上前から、高校受験や大学受験と比較すると中学受験が最も難しいというのはさほど変わっていない印象です。
その年齢で普通に学校で習うことだけを勉強してもまず合格できないようなレベルの問題が多数出題され、特にハイレベルな中学の入試問題は、解き慣れていないと学力のある大人であっても戸惑ったり解けなかったりするような内容もあるほどです。
小学4年生の時点で、これまでの下準備として先の記事(文末に記載)で紹介した土台が出来上がっていないと、間に合わない可能性が高いのです。
公立中高一貫校と私立中は対策が全く別
公立中高一貫校で出題される「適性検査」は、教科別に出されるのではなく、教科を渡って総合的に思考する能力が求められるため、トレーニングなしでは太刀打ちできないような問題が出ます。
また、学校によっても問題が異なるため、志望校に合わせた練習が必須です。
また、それらに対する読解力・情報整理力も必要で、基礎となる高度な国語力が必須となることは言うまでもありません。
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これに対し私立中学は、学校によって出題傾向がかなり異なり、単純に偏差値だけでは測れないので、向き・不向きを見極める力も大切になってきます。
例えば、作文一つとっても、2つの文章を読んだ上でいずれにも共通する主張を読み取り小論文形式で論じていくものから、文章なしの「絵」から何を連想し主張するかといったものまで様々ですので、単に作文が得意といったスキルだけでは判断できません。
また選択肢問題を多く出す学校と、指定文字数以内で記述する問題を多く出す学校に対し、一見、”選択肢問題なら何とかなりそう” と思い前者の学校を選ぶ方が多いのですが、非常に緻密に計算された難しい選択を迫られる問題が出されており、また出題数も多いので力のある子が残れるように工夫されていることが多いものです。
いずれも、志望する中学の傾向の把握とその対策に基づいた指導に強い塾に、遅くとも4年生(3年生の2月頃が一般的)から入塾することが望まれます。
4年生の終わりまでに志望校を3つに絞る
上記の理由から、
「とりあえず勉強して、5年生の夏くらいの時点で合いそうな学校を見つける」というのは無謀です。
よほど、どこでも受かるような優秀な能力を持っている子なら別ですが、まず間に合いません。
そもそもなぜ受験したいのか・なぜその学校に行きたいのかを、お子さん本人が明確にすることが最重要です。
いくら親がこの学校に行ってほしいと思っていても、実際に本人がその学校に見学に行ってみてあまり良い印象がないところへはやるべきではありません。
「この学校に行ってみたいな」
と思わせる何か(それは直観で感じ取るものであることが多い)はトップレベルで考慮しなくてはならない志望理由です。
こうした前向きな気持ちにさせてくれる学校へは、行って良い結果につながることが多いのです。
(逆の場合、何らかの理由で学校に行けなくなってしまうケースも多々見てきました。)
これを5年生に進学する前にやっておきます。
3校ほど目星をつけておくと良いです。
小学5・6年生の2年間において、本人自身の変化もあれば、周囲の変化もあります。
直前になって慌てることがないよう、第一志望校に似た傾向の問題を出すところで、行ってもいいと思えるところを、3校ほどに絞っておくこともリスクヘッジとして非常に重要です。
4年生の終わりまでに身につけておくべき国語力
4年生の終わりまでに身につけておくべきものは基礎力です。
具体的には以下の通りです。詳細の説明は省きます;
・だからとなぜなら(因果関係)を正確に理解
・具体と抽象の使い分け
・語彙(四字熟語、擬態語・擬音語、時事問題に関わる単語など)
5年生の一年間にやるべきこと
5年生の一年間にやるべきことは、志望校の問題の傾向を把握しトレーニングを積むことです。
具体的には以下の通りです。一部補足を後述します;
・志望校の問題の傾向を把握し、似た問題が出ている中学校の問題を探して徹底的に解く
・冬休みまでに残りの過去問全てを解き切る
(できれば過去10年分)
・冬休み中に、解けなかった過去問のやり直しをする
・社会問題に対する情報収集を欠かさない
夏休みが終わるまでに志望校の過去問を3年分は解く
志望校に合わせて徹底的に準備するのが5年生の1年でやるべきことです。
ちなみに、偏差値に関わらず、問題に対する向き・不向きはあります。
相性と言っていいと思います。
受験は「いかに戦い、勝つか」といった戦略が大変重要です。
目指しているところとどうしても相性が良くなさそうな場合は、早いうちに思い切って別の学校に切り替えることを私はおすすめしています。
志望校より偏差値が高くても、相性の良い問題を出すところが見つかることも多いからです。
志望校と似た内容の、他の中学校の過去問を探して解く
上記通り、志望校の過去問を解いて傾向をつかんだら、他の学校で似た問題を出しているところを探して解きます。
案外、本番で同じような問題が出たりすることもあるので、この方法は大変おすすめです。
また、受験問題は様々な論説文・物語文を扱っているので、非常に効率の良い
「情報の引き出しを作るための道具」
でもあるのです。
社会問題に強くなるための情報収集を欠かさない
国語の読解問題や作文は、まず何といっても持っている情報の多さが絶対不可欠です。
土台となる知識がなければ、思考力も生まれません。
そこで以前より折に触れておすすめしているのが今解き教室です。
国際問題、環境問題、経済、科学、農業、医療他時事問題など多角的な社会の出来事を扱っていて、わかりやすいです。
6年生の一年間にやるべきこと
9割の時間配分で解けるようにタイムトライアル練習をする
たとえば60分制限時間の入試問題であれば、54分で全部を解けるようにトレーニングします。
必ず、問1には何分、問2には何分・・・というように、全問題について時間配分を決めます。
そのためにも、志望校の過去問で傾向をしっかり把握することは大変重要です。
より難易度の高い中学や高校・大学入試問題などにもチャレンジする
現代文などは、中学入試であっても大学入試問題が役に立つこともあります。
小学5年生までに志望校と同等レベルの問題を8割程度は解ける力を身につけておき、6年生になったらハイレベルの問題を解くことで、より力をつけていくようにします。
負荷をかけた練習をすることで、結果として今チャレンジしていることが楽にクリアできるような力がついていくというものです。
ただし、基礎力がない中これをやるとおかしなことになるため、小学5年生までにしっかり土台をつくることが条件です。
親が関わるべき大切なポイント
他の進学塾に行かせているが、必死に頑張っているけれども成果が出ない、といったお子さんも一定割合います。
頑張っている姿と結果は必ずしもイコールではありません。
これは大抵の場合、お子さんの理解できる脳の土台ができていないことが原因であり、そこはしっかり親が見極める必要があると痛感しています。
保護者様も確認できますので、お子さんの理解状況が明確に把握できるため、
「他で頑張っても・頑張っても、成果が出なかった理由がわかった」
というお声も度々いただいています。
成果が上がらない時には、下記記事などもぜひご参照ください:
▶子どもの成績が伸びない時にやるべき親のサポート
合わせて必ずこちらの記事もご参照ください。