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子どもの発達・学力全般

受験合格までのスケジュール3:小学1~3年生~この時期に身につける語彙力・思考力が大きな差を生む~

この記事は、小学・中学・高校・大学いずれかの段階で受験を目指すどの方にも、国語力を伸ばすにために小学校低学年時に身につけるべき重要なことをお伝えするものです。

読書

小学3年生までに身につけた語彙力・思考力が将来を左右する

国語で問われるのは「具体化」力

思考力は「具体化力」がなければ伸びない

たとえばどの子も、好きな食べ物は何ですか?といった質問には答えることができます。
カレー、ハンバーグ、果物など。

しかし、その理由はなぜか?と聞くと、たいてい戸惑います。

「おいしいから」
以外に、トレーニングなしで上手に表現できる子はそんなに多くありません。

「おいしい」というのは人それぞれ感覚が違うため、
「なぜ自分はその食べ物をおいしいと感じるのか?」
を考え、表現する必要があるのです。

しかしながら、そもそも論で、

「どのように」

といったことを表現するためには、語彙力(ボキャブラリー)が必要です。

この語彙力がないと、

「んー、わからないけどとにかくおいしい」

で終わってしまい、考える力が育ちません。

具体化するには表現力の土台となる語彙力が絶対不可欠

「おいしい」の具体化例として、

このフライドポテトは、カリっと揚がっていて噛んだ瞬間はサクッとした噛み応えがあり、中からホクホクしたじゃがいもの味が舌いっぱいに広がってとてもおいしい。
このリンゴは、水っぽくもなければモソモソしてもいない。噛むとシャキシャキした音を立てて口の中にほどよい酸味と甘味が広がり、とてもおいしい。

などが挙げられます。

こうした表現は、どれもどこかで見聞きしたような、特別なものではないと思います。
しかしながら

・カリっ
・ホクホク
・モソモソ
・シャキシャキ

といった擬音語や、

・噛み応え
・舌いっぱに広がる
・水っぽい
・音を立てる
・酸味、甘味

などといった表現を多く知っていないと、それらをうまく組み合わせて文章化することができません。

ようするに、語彙力がないと具体化ができないのです。

小学生低学年のうちに語彙力を身につけないと差は埋まらなくなる

たとえば不登校になってしまい、中学時代にはあまり学校に行けなかったというようなお子さんや、発達障害の症状があり成績が良くないといったお子さんであっても、長文読解問題を解かせたり、小論文を書かせてみたりすると、驚くほどできることがあります。

あるいは、小学4~5年生であっても、高校受験レベルの入試問題の国語を難なくこなす子たちもいます。

こうした子たちに共通するのは、

「本が好きで、子どもの頃から良く読んでいた」

ことです。

これは、英語を習得することに置き換えてみればわかりやすいと思います。
ある程度成長してから単語や熟語、日常会話の表現などを一生懸命身につけるのと、子どもの頃から自然に身につける生活を積み重ねてきたのとでは、圧倒的に差が開き、その差はよほど努力しない限り埋まらないでしょう。

また小学校高学年以降になると、習い事やお友だちとのお付き合いなどに時間が取られるようになっていきます。
さらに中学生にもなると今度は部活動や定期テストなどでどんどん忙しくなり、また勉強も難しくなっていくのでやることも増えます。

年齢が進むにつれて、読書をするための労力と時間を払うことが難しくなっていくのです。

小学校低学年時代に取り組む語彙力UPトレーニング

先述通り、小学3年生頃までに多くの本を読んできた子は、小学4~6年生になると、かなり難しい本でも読みこなせるようになっています。
そうすると、自然に語彙力はどんどん向上していきます。

したがって、できれば小学校に上がる前から地域の図書館などを利用し、様々な本を読む習慣をつけて行くことは基本的なこととしてぜひやっていただきたいと思いますが、意外と見落とせないのが、親の読んでいる本に子どもは興味を持つということです。

リビングや廊下の一角など、さりげなく本棚を設け、いかにも子ども向けのものではなく、大人が読んで楽しめるような・かつ少し大きめの文字や図解入りでわかりやすいものを置いておくというのもお勧めです。

また、後述しますが、家庭での会話も大変重要です。
インプットとアウトプット、つまり読むことと、口に出して伝えること、両方が大切なのです。

具体化力と同時に思考力を鍛えることが重要

疑問を持つ力がないと思考力は育ちにくい

たとえば今日の夜ご飯に何を食べたいか?という質問に、

「毎日お母さんが作ってくれたものが出てくるので、何を食べたいかを考えたことがなかった」

という子は、結構多いものです。

・自分はどうしたいのか?その理由は?その方法は?

といったことをとことん追求していくことが、いずれものすごい思考力につながっていくわけですが、最初の一歩である

「自分はどうしたいのか?」

が明確でないと、疑問を持つ力につながっていきません。

もともと教わらなくてもそうした力を持っている子がいる一方で、自分で選んでいいこと・考えていいことを教わらないと、疑問を持つということを知らないで育ってしまう子もいます。

親が「あなたはどう思う?」「君はどうしたい?」ということを、子どもに丁寧に聞いてあげることは大変重要です。

家庭でのささやかな会話の積み重ねは大きい

子どもが幼い頃から日常会話の中で、親がさりげなくその日のニュースを話題にしたり、子どもの疑問に丁寧に付き合っていくことは、先々大きい差を生むように感じています。

食事の時間は、思考力を育むための大切な時間です。

例えば、世界で起こっている戦争のこと、なぜそうした戦争が起こってしまうのか、そこで今暮らしている人たちの生活や気持ちはどんなだろうかといったことや、AIを搭載したロボットが増えたら人間はどうなっていくのだろうといったことなど、小学校低学年でも考えられる話題はたくさんあります。

親の意見を一方的に植え付けてしまうことがないよう、注意してください。
賛成・反対それぞれの立場で考えてみるのは、お子さんだけでなく大人にとっても大変良いトレーニングになるのでおすすめです。

国語力を伸ばすために国語だけやるのはNG

実は、論理的思考力には図形化力が必要です。

たとえば、「つまり」という接続詞は、その接続詞の前後の文章AとBにおいて、A=Bという関係にあることを示しています。

これを読みながら、頭の中でAという文章のかたまり=Bという文章のかたまりなんだな、と図形化する能力を鍛えるには、文章ばかり読んでいても力がつきません。

積み木問題、絵合わせ、展開図などといった算数系のワークを合わせてやることもぜひやってください。

合わせて必ずこちらの記事もご参照ください。

受験合格までのスケジュール2:乳幼児期編②~ルールを理解する土台作りなしに学力は育たない~

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