受験合格までのスケジュール2:乳幼児期編②~ルールを理解する土台作りなしに学力は育たない~
この記事は、学力を伸ばしていく土台となる乳幼児期の脳の発達に欠かせないことのうち、論理的思考力を養い、将来十分に学力を発揮できるために必要なことをお伝えするものです。
乳幼児期における学力UP準備に必要なこと
脳をまんべんなく使えるようにすることが何よりも先決
勉強につまづく子は右脳左脳どちらかに使い方が偏っている
実際に毛髪検査やQEEG検査などのエビデンスを何例も拝見させていただいていますが、勉強でつまづく子はやはり脳の使い方に偏りがあります。
たとえば、国語の文章を読むという作業一つをとってみても、
”読みながら同時に内容を頭の中でイメージし、かつ文全体の構造を論理的に把握する” といったことが必要になってきますが、それができません。
結果として、
「音読は上手にできたけれども、内容は理解できていない」
ということになります。
一般的に言われている右脳・左脳それぞれの役割からいうと、いわゆる右脳優位の子は、自分の感覚や経験に基づく感情で解こうとしてしまい、客観的に論理で解くことが苦手です。
一方、左脳優位の子は、登場人物の心情を理解したり、筆者が暗に示しているものをくみ取ることが苦手です。
実際のところ脳の働きというのはもっと複雑で、医学博士の加藤俊徳先生のお話によれば、8つの脳番地があるといわれています。
1.思考系 2.理解系 3.記憶系 4.感情系
5.伝達系 6.運動系 7.視覚系 8.聴覚系
いずれにせよそれぞれを皆上手に働かせながら思考していくことが大切で、そのためには何ができるか?について知っていることをここではお伝えしたいと思います。
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脳をフル稼働させるために幼児期から取り組むと良いこと
空中に左右の指で同時に形や文字を描く
発達障害と診断されたというお子さんを多く間近で教えてきた経験からいえることの1つに、鉛筆を正しく握り、書くことが苦手ということが挙げられます。
自分の指をそれぞれ1本1本、自分の思う通りに動かすことができないため、結果として力の入る握り方をせざるを得ず、おかしな握り方・書き方になってしまうのです。
また、ホワイトボードの前に立たせて左右同時に字を書かせてみると、どちらかの手がおろそかになってしまいます。
いずれも脳の働きから来ているもので、如実に思考力に表れます。
右手と左手で、空中に〇や△などの記号や、簡単な文字を描く遊びは大変お勧めです。
まずは同時に同じ向きに描き、できるようになったら今度は鏡文字(左右対称)にして描きます。
スピードをUPさせたり、描く内容を変えたりしながら、毎日5分でよいのですらすらできるまで続けます。
大きなホワイトボードがあれば、立ってそこに描かせるのも大変おすすめです。
ピアノを習わせる
幼児期からできることとして、やはりなんといってもピアノはおすすめです。
楽譜を理解し、暗譜し、音を聴きながら感情をのせて弾く。
両手の指を1本1本しっかり使わなくてはならず、否が応でも先述の脳番地全てを使うことになります。
また、今でも残る有名なクラシック音楽がなぜ多くの人の心を打つのかというと、それらの音楽のメロディに出てくる音符の配列が人間の体を構成するタンパク質の配列とよく似ているという研究もあり(※)、電子音ではない鍵盤楽器の音に触れながら、そうした音楽を奏でること自体にも、細胞の共振という意味で良い効果があると考えられます。
タンパク質の音楽とよばれる。
ルールを理解する回路作りは必須
道路のないところは行き止まりになってしまうように、人間の脳も情報が流れるための道路= ”脳の回路” を作る必要があります。
具体的には、
「いくら言ってきかせても、この子はわからない」
というのはだめで、言って聞かせる前に、
「〇△、〇△、〇△・・・〇の次は?」
と聞き、「△」と子どもが答えるようになるためのトレーニングが必要だ、ということです。
幼児期にしっかり、物事にはルールがあるということを理解する回路を作ることが大変大事なのです。
ルールを理解する土台作りに役立つこと
パズル
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物には形があること、決まった枠に納めること、形を合わせる必要があることなどから、社会のルールを学ぶ土台作りに役立ちます。
簡単なものから徐々に難しいものにしていきます。
素材はプラスチック系のものではなく、天然木を使ったものや、段ボールに絵を書いて切ったような手作りのものなどが良いです。
絵合わせ
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たとえば、私たちは一度これはリンゴだと認識すれば、それが緑だろうと・形が違っていようと・イラストに書かれたものだろうと、リンゴと認識することができます。
実はこれは情報処理としては結構大変なことで、AIが発達する以前のロボットでは同じことをさせるのに、大量の・様々な種類や角度のリンゴの画像を読み込ませないと理解できないといったことがありました。
全体を俯瞰したり、自分が今置かれている状況を把握したり、相手の気持ちを理解したりするのに必要なのが、推論と呼ばれる力です。
絵合わせはこの力を養うのに役立ちます。
成長度合いに合わせて、様々な絵合わせをさせていくのがおすすめです。
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幼児教室は、目的によって内容がそれぞれ異なると思いますし、最近では幼稚園でもかなり良い取り組みをしてくれるところも増えていると思うので、必要があれば通わせる、というのが良いかなと思っています。
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発達に特に心配のないお子さんで、小学受験を目指しているのであれば、それを目的とした幼児教室で予想問題に似せたものを解かせていくのが効率が良いのではないかと思いますし、個人的な経験では、めばえ教室が大変、子どもの発達を促すのに役立ちました。
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