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子どもの発達・学力全般

読書感想文が書けない・会話が続かない・不登校などの裏にある感情理解の問題

この記事は、なぜお子さんの思考力・表現力が伸び悩んでいるのか、あるいはなぜ不登校の状態になってしまっているのかについて説明する記事です。(以前の記事をリライトしています)

感情は自分と同じように抱いているもの、というスタート地点での誤解

感情の区別がつかない子もいる

国語塾をやっていて、改めて実感したことがあります。
それは、

「うれしい・楽しい・気持ちいい・好き」

といった快の感情の区別がつかない子や、

「悲しい・さみしい・いやだ・残念だ」

といった不快の感情の区別がつかない子が一定割合でいる、ということです。

あるいは、それなりに感情はあるのだけれども、たとえば楽しかったことは?と言われて、

「楽しいのかな?うーん、楽しいこともあったけど、疲れた部分もあるし、うれしいとは違うし・・・」

など、感情を一言で説明できないことで、混乱する子もいます。

感情を持ってはいけないものだと思い込んでいる子もいる

また、中には、例えば父親との関係や、学校生活で起こることに対し、

「うれしいとか嫌だな、といった感情を持ってはいけないもの」

と考え、ただひたすら、あるがままを受け止めてしまっているお子さんもいます。
そのため、なんだかよくわからないけれどもただ、重く苦しい・息苦しい状態が続き、ある時それに耐えられなくなってしまうのです。
その結果、殻に閉じこもってしまったり、鬱状態や不登校の状態になってしまったり、逆に暴力をふるったり、自傷行為に走ったりすることもあります。

この場合は、「感情を持ってよいこと」からまず教える必要があるのです。

いずれにせよ、国語や、社会生活の中でつまづいているお子さんのうち、一定割合で、

こうしたことを教えられていないため、答えられない・理解できないといったことが起こっている

ということは、知っておいた方が良いように思います。

子どもの思考力をUPするには、質問力を磨くことも必要

「今日、学校どうだった?」
「別に。」

こうしたケースは、とても良く耳にします。

読書感想文を書かせようとしても、
「おもしろかったです。」
以外に書けない、といったこともまた、本当によくありますね。

これらは、問いが漠然としすぎているために、子どもが表現しようもないところで溺れているのかもしれません。
ちょっと質問の方法を変えるだけで、変わってくることも少なくありません。

これからお伝えする方法は、
ご家庭や指導の現場において、ちょっとした日常会話の中でもできる、とても有効な方法です。
次の3STEPで会話することを、ぜひ試してみて下さい。

SETEP1:「何が?」(毎日同じ質問をし、事前に考えることを意識させる)

その日にあったことのうち、“快の感情” と “不快の感情” を持ったことを、いずれか1つ答えてもらうことを伝えておきます。
どんなに小さなことでもかまいません。

もちろん、両方1つずつ答えらえるのであれば、その方がより良いです。

一番の目的は、子どもが、

「予め聞かれることがわかっているので、意識するようになる」

ことです。
合わせて、単に親の好奇心で聞いているのではなく、思考力をUPさせるためだよ、とか、脳トレの1つだよなどと、子どもにも、明確にその目的を伝えるようにして下さい。

快に対する質問例

「今日1日のうち、うれしい・楽しい・気持ちいい・これは好き・きらきらしている・すっきりする・またやりたい、などとと思ったことは何かな?」
※感情の区別がつかないお子さんの場合、とりあえず「よかったこと」など、その子が快として理解できる言葉にします。

不快に対する質問例

「今日1日のうち、悲しい・さみしい・いやだ・残念だ・重い感じ・苦しい・今度またあったら嫌だな、などと思ったことは何かな。」
※感情の区別がつかないお子さんの場合、とりあえず「よくなかったこと」など、その子が不快として理解できる言葉にします。

SETEP2:「どんな?」=その理由を答えさせる

STEP2の答えが、仮に、「お友だちと遊べたことがよかった。」だったとしましょう。

その理由を掘り下げていくのです。
「どんな風に、お友だちと遊べたことが、よかったの?」
と。

最初は「えー、遊ぶのは楽しいから。」といった答えかもしれませんが、そこから食い下がります。

「どうして遊ぶのは楽しいのかな?」

もし答えられないようなら、少しずつサポートしていきます。

「一人で遊ぶのとお友だちと遊ぶのとでは、何が違った?」
「お友だちと話すのがうれしかった?」
「お友だちとゲームをしていて勝ったので興奮した?」
「お友だちの家に上がり、見慣れないものがたくさんあったからワクワクした?」

といった具合に。

STEP3:「なぜ?」=その理由をさらに深堀りしていく

STEP2の答えが、「お友だちと話すのがうれしかった。」だったとしましょう。

そこから、

「お友だちと話すことは、どうしてうれしいんだろうね?」

と、どんどん深く聞いていくのです。

「どうして、友だちと話して、うれしかったのだろう?」

という疑問を、普通はあまり持たないかもしれません。
ですが、この視点を持つことが、実は思考力を伸ばす上で、欠かせない大切なポイントのです。

こう考えていくと、一人ぼっちではないということを感じたからなのかもしれないし、自分の気持ちや意見に共感してもらえたことで、心強く思ったからなのかもしれないし、新たな情報を得られてよかったな、と思ったからなのかもしれません。

目指すところは、自力で答えられるひな型を作っていくこと

上記例の答えをつなげていくとこうなります。

「今日、学校でうれしいことがあった。
それは友だちと話したことである。
なぜなら、自分の意見に賛成してもらったので、心強く思ったからだ。」

こういう形でアウトプットすることで、自分の中に、一つの形ができますね。
(ヒントを与えた場合でも、必ず最後は自分の口で、言い直させるようにします)←大事ポイント

こうした「自分の思考・回答のひな型」をたくさん作っていくことが、思考力・表現力の土台となっていくのです。

もちろん、ここからさらに深く考えていくこともできます。
また、理由を3つずつ挙げるようにしたり、賛成意見と反対意見両方の視点から考えて答える、といったより高度な思考法もありますが、まずは、このSTEP3までを、ぜひ日常会話でやるように心がけてみて下さい。

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