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子どもの発達

牛乳を沢山飲むようになった頃から言う事を聞かなくなった?

国語塾に通ってくださっていた生徒さんのお母様に、食生活についてのアドバイスをしたところ、こんなお声が寄せられました。

息子が大量に牛乳を飲むのですが(1日1.5リットルぐらい)、気に入らないことがあると直ぐに怒ったりします。それがこの1週間ほど、1日コップ1~2杯程度を飲むようになったら、とても落ち着くようになりました。上の娘とも、(すぐ怒ったりしていたのは)牛乳のせいだったのではと話しています。
息子本人も、
「(たしかに)牛乳を沢山飲むようになった、小学校3年生から言う事を聞かなくなったかも」
と言っています。

牛乳・乳製品を摂取することで体に起こること

栄養面からではなく生化学からみた時の牛乳とは

「牛乳にはタンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれています」
このように私たちは教わってきました。そして、実際に含まれている栄養素に目を向ければ、確かにそうだと思えます。


しかしここには、体に摂取した後の、

「分子レベルでの化学変化の連続が、どのようなメカニズムで働くのか」

といった視点がありません。
動物性食品の摂取を控え、植物性食品の摂取を勧めることに対して、インターネットで検索すると、ばかげているといったネガティブな意見を目にすることもありますが、これも同じく、例えば体内におけるミネラルのバランスの取り方や、細胞内に存在するミトコンドリアとマグネシウムとの関係性、脂質の質と細胞膜の働きなどといった、生化学から真摯に考えようとした時、安易に発言できるはずはないのではないかと感じます。なぜなら、知れば知るほど奥が深く、まだまだ現在の科学をもってしても未知の部分が多いからです。

たったここ十数年の間にも、科学は信じられないスピードで、日々目覚ましく進化しています。
これまで、強く意識していなかった「食べる・食べない」といった行為も、細胞内外において、恐ろしいほどの数の化学変化を起こし、また遺伝子の発現にも関わっている、非常に重要な行為であることがわかってきたのです。

例えていうならば、かつて顕微鏡がなかった時代には、病気の原因は細菌やウィルスだとは全く考えられておらず、その時代には、今では当たり前のように行っている、手洗いうがいといった予防策の大切さを真剣に(科学的に)考えられなかったことと似ています。

最先端の研究が進んでいる一方で、そうした研究に携わったり・知る要求が高い人を除き、これまでの常識を覆すような最新の学問を、多額のお金と多くの時間を費やしてまで改めて学ぶ機会を得ることが難しい、というのが現状ではないでしょうか。これは、親としてだけでなく、企業の開発者として・教育関係者として・医療従事者として・食品関係者として、様々な立場で活躍している方たちにも言えると思います。

だからこそ、私たち体内で日々絶え間なく行われている、食物を摂取することで連続して起こり続ける化学反応が、細胞の働きにどのような影響を与え、そのアウトプットである心身の状態がどうなるのか、といった、本来最も最初に学ぶべきであることが長く欠落してきたといえるのかもしれません。

同時に、これほどまでに牛乳や乳製品が市場にあふれている現状を変えるには、まだまだ時間と労力がかかるといった背景も考えられます。ちょうど、新型コロナウィルスが流行した現状の社会にも通じるところがあるように思います。完全に廃止するには経済的損失が大きすぎ、かといって代替製品を開発し、市場に流通させていくには、膨大な経費や労力がかかるからです。

ちなみに、急速に米と野菜を中心とした伝統的な食事から、小麦・牛乳・卵・肉を中心とした洋食に変化したその原動力が何だったのか、について書かれた著書の解説とグラフが掲載されているWEBページがありましたので、参考までに掲載させていただきます。
現在のアレルギー性疾患増加は戦後の「栄養改善運動」と学校給食、そしてアメリカの小麦戦略によって作られた

とはいえ、10年前に比べ、豆乳やライスミルクなどによる代替品も随分目にするようになりました。徐々に変化はしています。まずは個々人で、できることをやっていくことが力になっていくのだと思います。
以下、牛乳・乳製品を多量に摂取することによって起こる可能性があると考えられている弊害を列記します。

1.リンの過剰摂取による骨からのカルシウム溶出

牛乳はカルシウム摂取源としても有名になっていますが、牛乳のカルシウムは、牛の赤ちゃんが飲んで吸収されるようなミネラルバランスになっています。そのためリンという物質が多く、人間がこれを飲むと、必要以上のリンが入ってきたことにより、体内の骨や歯からカルシウムを溶かしてそのリンと結びつけるといった働きが行われることがわかっています。

リンはほぼすべての食物に含まれています。また添加物として利用されるため市販品に特に多く含まれています。学校給食で毎日飲む牛乳や、おやつなどで食べる乳製品が加わることで、さらにこうした働きが増長されるリスクがあります。

骨はリンとカルシウムが結合したものであり、体内のリンが過剰になるとPTHというホルモンが分泌されることで骨から血中へのカルシウム溶出を増やしてしまう。
腎臓とミネラル代謝ホルモン
コンビニエンスストア弁当に含まれるリンの計算値と実測値の比較

 

2.カルシウム過剰摂取による体内マグネシウム不足を招く

様々なミネラルが豊富な天然塩から、マグネシウムをはじめとする他のミネラルが除かれてしまった塩化ナトリウム(食塩)の使用や、土壌内のマグネシウム含有量低下による農作物のマグネシウム不足など、現代の食生活においてはマグネシウム不足が懸念されており、そこに拍車をかけているのが、カルシウムのみが重要視されている牛乳や乳製品の過剰摂取、ともいえるでしょう。

カルシウムとマグネシウムは、それぞれがバランスを保ちながら働いています。例えば血管内にカルシウムイオンを投与すると血管は収縮するのに対して、マグネシウムイオンを投与すると血管は拡張する、といった具合です。細胞レベルでは、カルシウム流入によって起こる種々反応を抑制する方向に、マグネシウムが働いています。

つまり、牛乳または乳製品を摂取しすぎることにより、相対的に体内のマグネシウム不足を招く恐れがある、ということなのです。

マグネシウムは、絶対に欠かすことができない、生命が代謝を行う上での必須ミネラルであり、これが欠乏すると、発達障害の症状や、キレやすい、だるい、理解力の低下などといった症状が起こってきます。
(もちろんそれ以外にも、ぜんそく・腸疾患・糖尿病・不眠症・虫歯・がんなど、多くの疾患がマグネシウム不足と関係しています。)

マグネシウムはエネルギーATPの授受に不可欠なミネラルであるため、不足すると全てのエネルギーを使う反応が停止する。300種もの酵素反応に関わっているといわれている。
また、骨形成に関与する酵素(アルカリフォスファターゼ)の補因子としても働く、骨が成長する過程においてマグネシウムがカルシウムを呼び寄せるような働きをするなど、様々な形で重要な役割を持っている。
マグネシウム欠乏におけるカルシウム過剰の栄養生理学的・病理組織学的検索

 

3.乳糖不耐症による腸の不調を招く

牛乳に含まれる乳糖は、ラクターゼという分解酵素によって分解されます。しかしながら、このラクターゼは、私たち日本人のほとんどは、離乳期以降は分泌されなくなります。

その結果、高濃度になった乳糖が小腸に水分を引き寄せ、水様性下痢を起こします。その後乳糖は小腸を通過して大腸に入り、細菌によって発酵されてガスが生じ、ガスによって鼓腸、腹部膨満、腹部けいれん痛が起こります。

引用元:MSDマニュアル家庭版 乳糖不耐症

ちなみに、乳糖が下痢を起こすからよくない、といった短絡的なことではなく、下痢が繰り返し引き起こされることにより腸内細菌叢のバランスが崩れ、それによってもたらされる弊害が見過ごせないものであるため、避けた方が良いと子どもの発達デザイン研究所では考えています。(腸内細菌叢の大切さについては、ここでは書ききれないため割愛)

4.牛乳に含まれるカゼインが不耐を起こす

牛乳に含まれるタンパク質カゼインを私たち人間はほとんど消化できず、そのため摂取すると小腸の粘膜細胞は炎症を起こし、損傷したり、細胞同士の結びつきが緩んでしまうことで、本来体内に入るべきでない物質が血液中に入り込んでしまうと言われています。
これを「リーキーガット症候群」と呼びます。
同時に、カゼインがアレルゲンとなり、遅延型アレルギーの原因になります。その結果、頭痛・肩こり・生理痛などをはじめとする痛みや、アトピー、皮膚疾患などといった炎症に関わる様々な症状を引き起こすと考えられています。

5.中毒症状を起こす

カゼインを分解していく過程で未消化のタンパク質、カゾモルフィンが生成され、モルヒネなどの麻薬物質と似た作用が引き起こされることもわかっています。
カゾモルフィンは血液脳関門を通過し、脳内の神経細胞(シナプス)にあるオピオイド受容体に結合、その結果、精神症状や神経障害を誘発する可能性があるともいわれています。
冒頭の男の子の例のように、牛乳を大量に飲んだり、クリーム系の乳製品やアイスなどがやめられない、といった場合、中毒症状を引き起こしているのかもしれません。
これは、小麦製品(特にパンや麺類など)にもいえます(小麦に含まれるグルテンというタンパク質が同じように中毒症状を引き起こす)。

子どもの発達デザイン研究所の見解

上記のような見解や文献もあること、牛乳や乳製品の摂取を控えた結果、体調がよくなった・理解力が増した・発達障害の症状が軽減したなど有益なお声を多くいただいていることから、まずは机上の空論を展開する前に、実際にやってみることをお勧めしています。

また、弊社の特別顧問としても就任して下さっている、杏林予防医学研究所 山田豊文先生のご講演にて、より詳しいお話を聴くことができます。zoomでご視聴できますので、ぜひご参加下さい。
2020年度のご講演は、8月22日(土)となります。

山田豊文先生 子どもの発達特別講演zoom 詳細はこちら

 

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