わからないのではなく、わかることができない
なぜわからないのか?
分からないメカニズムを知る必要がある
「どうして何度チャレンジしても、この問題ができるようにならないのか?」
「これ以上は無理という簡単なところまでかみ砕いて説明しているのに、なぜ理解できないのか?」
もしかしたら時にはこのような疑問を持たれることもあるのではないでしょうか。
ちなみに勉強だけでなく、日常生活においては大人同士であっても
「どうして相手の立場になって考えることができないのか?」
「どうして先のことを考えて行動できないのか?」
このような言葉をぶつけてしまいたくなるようなシチュエーションも、ありますよね。
こうしたケースの多くは、私が見てきた限り、脳の状態に起因していることがほとんどです。
一言で言えば、「わからない」のではなく「わかることができない」のです。
感情論でもスキルでもなく理解できる脳の状態にすることが先決
どれほど話してきかせても、努力をさせても、脳の回路を作っていくための材料が足りなければ根本的な解決にはいたりません。
一時的な刺激によって瞬間的にはできるようになるかもしれませんが、また元に戻ってしまいます。
勉強は、外部からの「刺激」です。
刺激を受けることにより、脳内に電気信号が流れて活性化します。これを繰り返すことによって今までなかった新しい脳の回路ができるわけで、これが
「何かができるようになっていく仕組み」
です。
しかし、そもそもこの流れる電気信号の元になるのは、まずはすべて自分が食べたものなのです。
具体的には、たとえば神経細胞の元となるDHAや、神経伝達物質の元となるアミノ酸などです。
これらをしっかり脳内に届けるためには、材料そのものも十分に必要ですが、それを分解合成するためのもの、つまりマグネシウムや亜鉛といったミネラル類だったり、ビタミンB群だったりもまた十分に必要なのです。
もちろん、しっかりとした血流の勢いがないと脳まで十分に届きません。血管や血液を作っている細胞もまた元気でないとならず、そのための材料も十分に必要なのです。
適当に食事をしていても、自分の体が適当に分解したり解毒したり、合成したりしてくれている、というのは大変な勘違いで、
「新しい細胞を作る材料」
「傷ついた細胞を修復するための材料」
が必要十分なだけ補給されることがまず何より大切です。
しっかり土台を補強してあげてこその勉強なのです。
同時に、ただ材料を十分に補給すればよいかというとそうではなく、特に今の子どもたちは長時間、下を向いたままスマートフォンやゲームに夢中になっているので、血流が顔の方にばかり集まってしまい、後頭部に血流がしっかりまわらなくなりがち、といったことなどもあります。
さらにゆっくり入浴することを好まない生徒が多いのですが、これもまた血流改善の機会を失う大きな一因となっています。
入浴は血流を良くしてくれるだけでなく、ヒートショックプロテインといって、細胞内でタンパク質を修復してくれる機能のスイッチをONにしてくれる効果もあります。
他の記事でも時折おすすめしていますが、特に脳の血流不足が懸念される場合は、マグネシウムをたっぷり(600g前後)入れたお風呂に浸かると、経皮吸収されるマグネシウムの効果によって全身が活性化されていくため、大変おすすめです。
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腸内環境も深く関係している
たとえば、ASD(自閉スペクトラム症)の症状を持つ人は、
「どこに着目すべきか?」
という判断を間違えがちです。
通常、数多くの情報から人間は1つの核となる相手の言い分だったり、問題の意図だったりを理解しますが、数多くの情報から自分の最も気になるところに注意が行ってしまうのです。
たとえば、こんな風にです。
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これについては、2015年に出された下記カリフォルニア工科大学の研究結果がとてもわかりやすいと思います。
※上の写真はASDの症状がある人、下の写真は症状がない人が「その写真を見てどこに着目するか?」を調べた実験結果です。
ASDの症状を持つ人は、写真から伝わってくるストーリー関係なく、中央に視点が行っています。
症状のない人は、母親のゾウと子どものゾウとの関係性を写真から理解し、子どもに対する母親ゾウに興味が行っていることが視点から伝わってきます。
出典:HUFFPOST These Photos Show How The World Might Look To A Person With Autism
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ASDの症状は、腸内細菌叢と深く関係があることがわかってきました。
単に栄養補給といった意味合いで食事を改善するだけではなく、脳を正常に働かせるための腸内環境の見直し、といったことも非常に重要になってきます。
特にASDの症状を持つお子さんにはこの視点がとても大切です。
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詳しくは、下記「発達障害の症状改善と腸内細菌」という記事で書いていますので、ぜひ、合わせてお読みください。
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