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高校受験国語対策

都立高校200文字作文の過去出題テーマと予想テーマ

この記事は、東京都立高校入試で出題される200文字作文のコツについてお伝えするシリーズです。
他の公立高校を目指す方の参考にもなりますので、ぜひお読みください。

東京都立高校入試200文字作文出題テーマの傾向

都立高校入試200文字作文における過去出題テーマと筆者の主旨まとめ

■互いの思いを一致させること(R6 2024年)
ヒトは絶対に一人では生きられない。そのため共同作業を行うが、それは言語や文化などヒト固有の性質を基本としているものであり、自分と他人がどう外界を見ているかを共有し了解し合うという素地によって築かれている。
■これからの情報化社会をよりよく生きるには?(R5 2023年)
いずれ人間の記憶や心なども情報化することは可能な時代が来るが、それは人間らしさの消滅につながりかねない。
そうならないようにするには、AIと人間との共生が唯一の道だと思われる。本当の意味での情報化とは何かを改めて考えるべきだ。
■コンピュータ化できない人間の考え方とは?(R4 2022年)
人間が他の動物と一線を画しているのは、脱既存概念の考え方を持っているからだ。
脱既存概念とは、新たな価値、目的を想像し創造することであり、脱既存概念の考え方は明文化ができない部分=コンピュータ化できない部分をも含んでいる。
■あなたにとっての記憶の拠り所とは?(R3 2021年)
変化しない何かがあるからこそなつかしいと思うことができる。
何もかもが変わってしまったら記憶のよりどころがなくなってしまう。変わらない価値を示すものも大切だ。
■理想の組織(R2 2020年)
絶えず更新され、動的であるからこそ、その関係性は可変的で柔軟だ。何かが欠落したり、不足したりしたとしても、問題にすぐに対処できる。
それには、それぞれが自律(自分の意志で判断できる)ことも必要だ。
■新しい『何か』に出会うこと(H31 2019年)
絵や作品などのアートを通じて新たなモノや新しい世界を知ることは喜びであるし、普段は目を向けないような部分に気付かされることもある。
■自分の意志をもつこと(H30 2018年)
「自分で意志をもって」行ったと思われる行為が、思い返してみれば実はそうではない可能性もある。自分以外のものから影響を受けていることも意外と多い。
■食生活と歴史(H29 2017年)
人間の基本は食生活にある。住んでいるところの気候や文化、政治などによって、調理の方法や、マナーなども異なっている。つまり食生活は、それぞれの国の社会構造や歴史を表すものといってよい。
■基本を身につけること(H28 2016年)
美しさを獲得するためには、まずは基本と過去を学ぶ必要がある。
■取り合わせの美(H27 2015年
伝統的な日本の美は、空間、調度品、その場にいる人たちすべてが合わさった調和が生み出すことだと考えられ、それはおもてなしの心から生まれた。
■環境の持続可能性(H26 2014年)
今の人間の住みやすい環境をそのまま残していくことが大切で、そのためには多くの生物たちを残し多様性を保つことが必要だ。
■住居と人間(H25 2013年)
家がもっと発展していくためには、自分が好きな内装にどんどん変えていくだけではなく、昔からあるそれぞれの場所に合った機能をちゃんと持たせるべきだ。

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過去10年のテーマの傾向から見えてくるもの

過去の傾向から、要するに東京都として子どもたちに考えさせたいテーマは、

環境問題、グローバル化社会、高齢化社会、科学技術(特にAIとIT化)の進歩などに際し、
「日本人として大切にすべきことは何か?」
「人間としてどうあるべきか?本来の人間らしさとは何か?」

といったことが見えてくると思います。
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東京都立入試200文字作文今後の予想出題テーマと文のひな型

予想される出題テーマ

1.コミュニケーション関係
(オンライン化、SNSとのつきあい方、高齢者・外国籍の方・LGBTQの方など多様な人たちとの共存、人間らしいコミュニケーションとはなど)
2.グローバル化社会
(戦争を防ぐには、言葉や文化の相互理解のために、日本らしさを守るなど)
3.日本文化への興味・知識と関わり方
(日本の食・建築物・家族の在り方・着物・色・音楽などの良さと、自分との関り方やどう守るべきかなど)
4.科学技術と人間
(AI化・IT化の進歩と人間らしい生活や仕事、医療技術の進歩と生命倫理、ロボットと人間の違いなど)
5.高齢化社会
(都市のあり方、高齢者をどう支えていくか、高齢者と関わった経験から学んだことなど)
6.新型コロナウィルス流行がもたらしたもの
(世界的規模の経済打撃と構造改革、環境改善への気づき、健康意識の変化など)
7.個性の多様化と社会の枠組み
(LGBTQ・障がいが個性として受け入れられつつある今の時代に必要な設備・法律など)
8.成人年齢の引き下げと社会的行動
(成人とは何か?求められる責任・ふるまいやそれらに対する意識など)

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東京都立ならではの記述ひな型

4つの枠で考える

自分の主張
自分の体験
筆者の意見
筆者の主張と自分の経験を結び付けて導き出される結論

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記述例

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(自分の主張)
私は、リンゴが好きです。
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(体験)
小さい頃、祖父母の住む田舎に行き、木になっているリンゴをもいで食べたことがありますが、つやつやと光った真っ赤なそのリンゴが美味しかったことがきっかけかもしれません。
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(筆者の意見)
筆者は、リンゴは健康にとって有益で、1日1個食べると良いと言っています。
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(筆者の主張と自分の経験を結び付けて導き出される結論)
これからも体を大切にするために、様々な楽しみ方で、リンゴを毎日食べ続けたいと思います。
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東京都の場合は「意見を書きなさい」のため、「です、ます調」が解答例として掲載されています。
しかしながら、「である調(断定調)」でもまちがいではありません。
小論文は指示が特にない場合は、基本的に「である調(断定調)」で書きます。

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▶200文字作文の書き方基礎についてはこちらの記事もご参照ください。
高校受験国語200文字(2段落)作文のコツ①|出題者の意図も考える

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