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中学受験国語対策

入試のための小論文・夏休み読書感想文の書き方(例文・ひな型付)

この記事は、入試用小論文・夏休み宿題の読書感想文どちらにも使える書き方の基本を解説したものです。

小論文・読書感想文で一番大事なポイントはコレ!

先に自論を5パターン作っておく

読書感想文や小論文のポイントは、

題材を与えられてから考えるのではなく、最初から自論パターンを作りそれに結び付けること

です。受験などの時間制限がある場合は特にこのスキルが必要になります。

作文系が苦手な人は、だいたいがこの自論が明確でないので、言葉で表せないのです。

文章を書こうと思って思考する、という順番はとても労力がいる作業であり、また成果が出ません。
先に思考あってこその文章です。
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POINT!:題材文からどこでもいいので持論に結び付く部分を探し抜き出す

失敗パターン:題材文の趣旨から自分の考えを導きだそうとしてしまう

文章を文章で考えるから苦しい。文章は図形で考える

国語が苦手な人は、文章を文章で考えようとするので、苦しくなってしまいます。
文章は、下記思考システムに則り図形で考えて下さい

アウトプット→インプットの法則を守る

・常に考える順番を結論(アウトプット=だから何だということ)からにすること
・そこに入れるインプット=結論をいいたい理由を考えること

枠を作ってからそれに合う量の文字数で考える

・作文でも論文でも、与えられた分量(例えば原稿用紙2枚とか)をだいたい4等分して枠を作ってしまいます。←これ大事。
・その枠に入る文章を考えること

ものすごく短い文章でも、逆にものすごく長い文章でも、原理原則は同じです。
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子ども研国語塾 小論文感想文の書き方 結論から考える

指定文や本に合わせて一部分だけ書き換える

作業としては、指定文や課題図書などの中で、用意した感想に結び付けられそうなところを探し、用意していたベースのほんの一部分だけ変えて小論文・感想文を完成させるだけです。
下記図の、グレーの部分は、あらかじめ考えておいた文章を使います。

▼感想文に応用するイメージ▼

赤線以外の部分の文章(黒字)は、先に作っておく

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だいたい次の5パターンを用意しておけば、これから先読む本や出されるお題に、何かしらはひっかかります。
本質的なものだからです。(当然、例外もあります)
あとは指定文や本の中で、どのパターンだったら結び付けられるかな?という部分を探せばいいのです。

① 人間と自然との共存
(自然災害と暮らし方 / 開発と保存すべきもの / 便利さと温暖化やエコ)
考えるヒント:
極端な自然破壊をするとどうなるか?食べ物や住む場所は?
便利すぎるとなぜいけないのか?かといって全員が原始人のように暮らせるか?
ごみをたくさん捨てるとなぜいけないのか?
② 自分を見つめるということ
(他人との触れ合いや日常生活を通して自分が何を学ぶか)
考えるヒント:
自分にとって家族・友だちはどういう存在?
助けられたこと、逆にいやだったことは?感動したこと・悲しかったことは?
自分がこれだけは大切にしたいと思うことは何?
③ 命の重みについて
(動物や植物の命と自分の命 / 貧困や戦争と自分の環境 /繋がってきた命)
考えるヒント:
死んだら悲しいと思う人や動物はいるか?
ご飯が毎日食べられなかったり、着る洋服や家が無かったらどうだろう?
自分が生まれるまでに、どのような命がつながってきたのか?
④ 科学の発展の意義と生命倫理の尊重
(AI、遺伝子操作、医療の発展、戦争と兵器)
考えるヒント:
人間が人間を思う通りに作ったらどうなってしまうか?
もしずっとベッドで寝た切りのまま思うように動けない生活になったとしたら?
細菌兵器・核兵器・AIロボット兵器などについてどう思うか?
⑤ 高齢化社会・グローバル化社会と他者に対する意識、共存
(生活環境と弱者 / 敬う姿勢、自分との関り)
考えるヒント:
高齢者、赤ちゃんや幼児を連れている人、体が不自由な人、外国人など、様々な人にどう手を貸すべき?
自分が逆の立場だったらどう感じるか?

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実際の作文例

指導前は「2日経ってもほぼ白紙の状態の子」小学5年生(男子)が書いた文章です。

課題:人間と自然との共存について思うことを書きなさい

◆赤で囲った書き出しにも注目。最初からこの書き出しで書くというパターンにしてしまうと楽です。

課題:食べ物についてあなたが思うことを書きなさい

家庭で親が教えられる具体的なやり方とコツ

最初は良い文を見つけ真似をさせる

最初は誰かのマネでよい。しっかりその型を覚えることが大切

最初はアレンジして書くところから入るのも一つのれっきとした勉強方法です。
まずは完全コピーでも良し、そこから一部分だけ自分の言葉に置き換えてみる。そんなやり方で進めてみて下さい。

会話で導き文章作成へつなげる

どう考えたらよいのか、という着眼点をうまく会話で親が引き出してあげるようにします。
たとえば、こんな風に誘導していきます。

親「”今日から電気を一切使わない生活をするので、暗くなったら寝る。テレビ・ゲーム・携帯・電子レンジ・冷蔵庫など一切なし。”…と言ったらどうする?」
子「無理」
親「そうだよね、今手に入っているものを、もし急に今日から手放さなくてはならなくなったら、とても困るよね。」

じゃあその気持ちを書いてみよう、と書くことをスタートさせます。

もし今日から何もなくなったら、困ると思います。

そこから

親「何もなくなったら、という例を書き足してみよう。たとえば何がなくなったら困る?」
と聞いていきます。
子「ゲーム」
親「他には?もう一つくらいないかな?」
子「テレビ」
親「わかった、じゃあゲームとテレビを足してみようか」

このようにすると

もし今日から何もなくなったら困ります。たとえばゲームとかテレビなどです。

というように少し文が長くなります。

親「じゃあ、どんな風に困るかな?」
子「やることがなくなる」
親「そうか。やることがなくなったらどんな気持ちかな?」
子「つまんない」
親「じゃあ、そのつまらないという気持ちを足していこうか」

これらを足すと、

もし今日から何もなくなったら困ります。たとえばゲームとかテレビなどです。これらが急になくなってしまったら、毎日することがなくなってつまらないと思います。

となりますね。こうやって、文を少しずつ長くしていくのです。

親「じゃあゲームやテレビがなかった昔の子供たちはどんな遊びをしていたのかな?調べてみよう。」
(一緒に調べる)
子「外で遊んだり、自分たちで工夫してつくったおもちゃなんかで遊んだりしていたんだね。」
親「そうだね。物がなければないなりに、工夫して楽しめるんだということがわかるね。自然にも触れ合えたりするね。」

この過程をそのまま書き足します。そうすると結構な長さになります。

もし今日から何もなくなったら困ります。たとえばゲームとかテレビなどです。
これらが急になくなってしまったら、毎日することがなくなってつまらないと思います。
僕は、昔の人はどうやって遊んでいたのかと思いました。
そこで調べてみました。
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そうすると、どんぐりや松ぼっくりといった木の実を駒にしたり、葉っぱで笛を作ったり、棒で地面に描いた図に石を並べたり投げたり、自然のものを使ってたくさん遊びができることを知りました。
いつの間にか、当たり前のようにテレビやPC、スマホなどで動画を見たりゲームをしたりすることが遊びの中心になってしまっていましたが、工夫すれば色々と楽しい時間を過ごせるのだと改めて感じました。
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たしかに現代のゲームなどはオンラインなどで様々なところに住んでいる人とも対戦でき、楽しいけれど、自分で工夫をし、自分の体を動かし、自然と触れ合うといった時間はその分減ってしまったと思います。
時にはこうした時間を持つことを意識して遊びに取り入れていきたいと思いました。

▼これを小論文としてまとめるとこんな感じになります▼
◆結論から書き始めていること、4つの枠=起承転結で書かれていることに着目

私は、現代の電子機器に頼った遊びばかりではなく、昔ながらの遊びを日常生活に取り入れることも大切だと考える。なぜなら、昔ながらの遊びは、頭と体を使い、自然とも触れ合うことができるからだ。
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たとえば、どんぐりや松ぼっくりといった木の実を駒にする、葉っぱで笛を作る、棒で地面に描いた図に石を並べたり投げたりするなど、身の回りにあるごく自然のものを使って楽しめる遊びが昔ながらの物にはたくさんある。
こうした遊びはどれも、お金をかけずに創意工夫をし、体を使って楽しめるものばかりだ。
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もしこのまま、現代の子どもたちの遊びの主流である「テレビやPC、スマホなどで動画を見たりゲームをしたりすること」当たり前になってしまったら、体を動かしたり、自然に触れ合ったり、自分で身の回りのものから何かを生み出すといった機会は相当減るだろう。その結果、人間ならではの感性が育たなかったり、健康を害してしまう可能性もある。
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以上のことから私は、人間らしい感性を磨き、健康的であるためにも、現代の電子機器に頼った遊びばかりではなく、昔ながらの、自然を使った創意工夫のある遊びを日常生活に取り入れることも大切だと考える。
ちなみにこの小論文は、先述の5つのパターンのうち、
① 人間と自然との共存 ② 自分を見つめるということ ④ 科学の発展の意義と生命倫理の尊重 などのテーマに応用できますね。

1日で全部を書き上げようとは思わない

これも圧倒的に多い失敗ポイントです。
1日で最初のブロック(起承転結の、起の部分)できたら上出来、とします。
最初は上手に書けないと思いますが、このシステムに則って何度も書き直しをすると、半年~1年くらいで、小学4年生でも上記のような文章が書けるようになります。

日常伝えたいことを起承転結で考える

お小遣いが欲しい、〇〇へ行きたい、~を食べたいなど色々と子どもの欲求があると思います。
それを、下記のような短い小論文スタイルで述べさせると、大変良いトレーニングになります。

例:【私は今晩、牛肉のステーキが食べたい】と伝えよ
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A.起承転結バージョン なぜならしかし

起:私は今晩、牛肉のステーキが食べたい
承:なぜなら最近、魚ばかりだったからである
転:しかし同じものばかりを食べていると遅延型アレルギーになる可能性もある
結:だから今晩、牛肉のステーキが食べたい

B.起承承結バージョン なぜならさらに

起:私は今晩、牛肉のステーキが食べたい
承:なぜなら最近、魚ばかりだったからである
承:さらに最近、肉といっても鶏と豚肉しか食べられなかった
結:だから今晩、牛肉のステーキが食べたい
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