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中学受験国語対策

青雲中入試 国語問題の傾向と対策

青雲中の国語 入試対策についての記事です。(ハイレベルの中学受験を目指す方に、問題の傾向と対策をお伝えするシリーズです。志望校である場合はもちろんのこと、志望校と似た他の学校の過去問を探し、解いていくことでも力がつきますので、ぜひ参考にして下さい。)

青雲中学校(青雲学園青雲中学校・高等学校 長崎県)

国語出題の特徴:他校との比較

多くが、論説文の大問×1、物語文の大問×1といった長文問題2つを中心に構成される中で、随筆文を加えた長文の大問が3つあるのが特徴です。
量が多いため、着実に本文内容を理解しながら解き進めていくスピードと情報整理力が求められます。
最低でも、「指定文字数以内で」もしくは「(指定文字数はないものの)わかりやすく説明せよ」といった小問が1つ、年度によっては全ての大問に1つずつ、計3つ出る年もあります。
選択肢問題は、本文中に根拠を正しく探すことができれば解ける問題で構成されています。

出題の特徴:論説文

本文中ではなく設問からヒントを探る問題も出る

年度によっては、下記のような問題が出題されます;

問題例(2021年度過去問大問1 問6より引用)

傍線部④「『であろう』がうまくできないという告白の生まれるゆえん」とありますが、なぜイギリスの物理学者はうまく英訳できないのですか。三行以内で説明しなさい。

基本的なテクニックとして、論説文や随筆文では、例えば、
「~とはどういうことか。○○文字以内で説明しなさい。」
といった問題は、本文中に書かれている重要な箇所をピックアップし、それをつなぎ合わせていくことで回答にたどり着けます。

ところが、本文に比喩表現が多く、その真意を理解しないと答えられないケースもあります。

上記問題に対して用意された模範解答の一例は、

■正解:「であろう」という表現は、断言を避け、相手の気持ちに配慮するところから日本語で発達した婉曲的な表現であるため、英語に訳そうとしてもそれにふさわしい表現が見当たらないから。

ですが、この根拠となる本文中の部分は、

日本語のあいまいさは独特の味わいのものだけれども、それは日本語の内づらである。外づらではそれを捨てたほうがよいということに、翻訳者たちが気づいていないから、はじめのイギリスの物理学者のような歎きになる。

「である」と決めつけないで、そっと「であろう」とぼかすのがたしなみになる。普通のゴルフにはないような微妙な打ち方のできるクラブが日本語にはいくつも揃っている。そういう言葉のニュアンスをパターくらいしかない言葉へそのまま移そうとすれば絶望するにきまっている。④「であろう」がうまく英訳できないという告白の生れるゆえんである。
(外山滋比古『日本語の個性』より)

であり、外面・内面、ゴルフクラブに置き換えた内容いずれも比喩表現になっています。
またこれ以外にも、厚着・薄着といった表現も出てきますが、これらから回答を直接導き出すわけにはいきません。

指定文字数で説明を問われる問題は、それ以前の小問の回答がヒントになることも多い

ところが、実はこうした問題の場合、それまでの小問が解ければ、それがヒントとなっていることが多いものです。
数学の応用問題と似ています。

●問3の選択肢
エ 日本人は自分を強く主張することを避け、控え目であることを好んでいるから。
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●問4の選択肢
ア 日本語のあいまいさは相手への配慮を示すものであって、日本人同士で必要とされる表現であるということ。

いずれも正しく選択できていれば、”こうした表現を、婉曲語法というのだ”という部分を本文中に見つけることで、

「日本語の表現は、あいまいさが相手に対する配慮だという根拠のもとに婉曲語法が発達した」
「直接的な表現を用いる外国人にとっては、その加減や、そもそもそうした話法があることがわからない」

といったことが浮き彫りになってきます。これらをつなげてまとめていくことで、用意された正解と同じ内容の回答ができるはずです。

出題の特徴:物語文・随筆文

読めばすぐわかる、という簡単な問題は当然出題されず、それはつまりこういうことだ、という置き換え力が必要になります。
これは、難関校と言われるトップクラスのレベルの中学入試では、当たり前に要求されるスキルです。

わかりやすい例でいえば、本文の中に、
「そよ風が吹いた」
という表現が出てきた時、それがどのように場を変えたのかを問われる問題で、
そよ風・・・さわやかな気持ち、すがすがしい気持ちを表す時に使う
ということを知っていれば、他の選択肢を選ばず、クラスの雰囲気がさわやかになったという選択肢を正しく選ぶことができるといった具合です。

物語文の心情理解についても、基本的なことになりますが、
「自分だったらこう感じる」
という尺度ではなく、本文中にこう書いてあるからこう判断できる、といったように解いていきます。

青雲中の国語対策

①文章構成を図として理解できる力をつける

物語文や随筆文では、たいがい、最初と最後に筆者の主張が出てきます。
これをもとに、それを定義している文、具体例を挙げている部分、主張の根拠などといった内容ごとにマーキングし、文の構成を理解しながら読んでいきます。

下記は、子ども研の国語塾受験コースzoomより;

文章の図形化例1(2020年度出題問題より)

文章の図形化例2(2019年度問題より)

 

②似た選択肢問題を出す他校の過去問でトレーニングする

青雲中の過去問を解くことはもちろんのこと、選択肢問題で大変良い練習になるのが、海城中などの問題です。
なぜその選択肢でなくてはならないのか、といった根拠を、明確に・かつスピーディーに本文中から見つけないと解けない論理的思考力が問われます。
逆に、海城中を目指しているならば、青雲中の問題は良い例になると思います。
海城中 過去6+2年問題集はこちら

ラ・サール中対策はこちら

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