言葉がなかなか出てこない・返事が遅い子は体感覚優位?
問いかけに返事が遅い・黙っているのはなぜ?
人によって優位に使っている感覚が異なることがある
既にご存知の方も結構いらっしゃるかもしれませんが、人には、どの感覚を多く使っているか、という違いがあることがあります。
1.体感覚優位
体の感覚で覚えた情報をよりどころに判断するタイプ。
何かをしたり、体を動かしたりすることで記憶する。「感触」や「感じ」で物事に興味を持ち、手を使った作業やモノをつくることが好き。
2.聴覚優位
耳から入った情報をよりどころに判断するタイプ。
できない問題は、声に出して読むとできることがある。音が気になり、集中を妨げるため、静かな環境を用意することが大切。
3.視覚優位
目から入った情報をよりどころに判断するタイプ。
口で言われるよりも、やってみせると理解がしやすい。全体像をまず把握したいため、資料や図を見せるなどすると良い。
体感覚優位の子は、言葉が出るまでに時間がかかることがある
体感覚優位の子は、会話で時々このようなことが起こります。
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ご家庭によっては、子どもの返事を待っていられずに、こうなのね、ああなのね、と親が代わりに喋ってしまうことが日常になってしまっているケースもあるかもしれません。
黙っている時の子どもは、自分の中の感覚をかみしめるように、スキャンしながら情報を言葉に置き換えようとしているのですが、何となく抽象で一杯のカオスから言葉を紡ごうとするので、とても時間がかかります。
そのため、相手が待ってくれないことに慣れてくると、とりあえず、何も考えずに反射的に、
「うん」
と返事をしてしまうこともあります。
言葉がなかなか出ない子はどうしたら?
まずは丁寧に待ってあげることで、変わってくることもあります。
「自分の気持ちが言葉になるまで待っていてくれるんだ。」
という安心感がないと、余計に体も心も委縮してしまい、言葉が出なくなってしまいますので、これはとても大切なポイントかと思います。
また、それでも言葉が出ない子には、
「YESかNOかで教えてね。」
と、1つずつわかりやすい質問を繰り返していくのもお勧めです。
私が教えてきた生徒さんの中には、同時に感情がたくさん湧いてきてしまって、どの言葉が適切なのかが選べなくて言葉が出ない、というお子さんもいました。
嬉しいけど恥ずかしい、緊張もした・・・
そういう感情が織り交ざっていて、どれをどう表現していいのかを教わってこなかったので、わからなかったのですね。
もちろん、こうした言葉がけや関わり方以外にも、脳内の血流の状態などとも関係があるのですが、そうした詳しいお話は、相談会などでお話します。
ぜひ文末の親の会にご入会下さい。無料です。
子どもが自分と同じ感覚、だという幻想を捨てよう
もちろん、バランスよく状況に合わせて使えることがベストなのですが、そうではなくて、どれか1つの感覚だけが突出していて、ほかの感覚が弱い、ということも起こります。
その感覚のばらつきにも個人差があります。
そのため、自分の感覚を土台に考えてしまうと、相手の行動が理解できないということがしばしば起こってしまうのです。
特に親子間、教師と子ども間では、これに対する理解がないと、子どもは苦しい状況を強いられてしまうと思いますので、注意していきたいですね。