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生化学の観点から

2:分子栄養学と量子生物学との関係

前回の記事はこちら 1:分子栄養学と量子生物学との関係

3.人間は約95%もの情報を認識できないまま生きている

紫外線・赤外線を見ることができない脳

わかりやすい例として、たとえば味もにおいも色も、全ては私たちの細胞にある受容体が、光や味覚物質やにおいの元となる物質をキャッチし、それを私たちが「認識できる」ように脳内で情報を変換しています。それは必ずしも普遍的なものではありません。幻想であるという脳科学者もいます。

たとえば、人間は、紫外線や赤外線は見ることが出来ません。
また携帯電話に飛んでくる電波も、目では見えません。
でも確かに存在していることは知っています。

これらは実は皆、同じ「電磁波」です。
どれも「光」と同じものですが、周波数が違うため、人間に及ぼす作用が異なり、呼び名も変わっています。

そのうち人間は、ある一定の波長域のみを「目で認識できる」ようになっています。
その波長域の電磁波が当たった物が吸収せず、はね返した電磁波を、人間の網膜細胞にある受容体がキャッチし、人間の脳内で色という情報に変換しているのです。

人間の脳は、限られたもののみを、
「音やにおい、色などといった人間が知覚できる情報に脳内で変換」
し、それ以外の情報は、情報を受容できない、あるいは細胞には受容体があっても、それを脳が五感としては認識するようになっていないので認識できていないのです。

これは、人間の脳が完璧にこの世のすべてのものを認識しているわけではないこともまた表しています。一説には、人間は95%もの情報を認識していないまま生きているとも言われています。

生きるために必要なものを都合よく変換し錯覚させている

また、先述の色でいえば、動物や昆虫は、この脳内で認識するしくみが異なるため、人間とは異なる色を見ていることがわかっていることから、人間は人間として生きるために必要なものを都合よく変換している、といったこともわかります。

さらにいうならば、慶應義塾大学大学院教授 前野隆司先生の著書「脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説」の中に、脳は空間や時間をも、自分たちの都合のいいように錯覚しているという実験結果が出ていることが書かれています(※文末参照)。

たとえば、手を挙げる時、私たちは手を挙げようと思ってから手を挙げると当たり前のように「認識」していますが、実は手を挙げる行動が先で、その後から「手を挙げようと思う」といった意思活動が行われている、ということや、赤・闇の穴・緑といったものを順番に見せると、赤の次に見えている色は、闇ではなく、未来に見えるはずの緑色だったといった、なかったものを未来の時間で埋めようとしてしまう特性などです。

人間の脳がいかに簡単に錯覚を起こすか、といった例として、同じ長さの線がちょっとしたトリックによって、違う長さに見えたり、そこにない形が見えたりといったことは皆さんもTV番組などで見たことがあるのではないでしょうか。

要するに、私たちがこれまで当たり前だと思っていた脳が認識している世界には、限界があり、またかなり都合のよいように切り取られたり・ゆがめられたりしているということなのです。
そのため、私たちが認識できる世界だけで理解しようとすると、そうではない法則の中で存在している量子の世界は、どうしても“私たち人間にとっては” 摩訶不思議なものになってしまうのではないか、ということなのです。

4.構造が分かれば、体の異変は量子レベルから起こると考えても不思議ではない

エネルギーってなに?

私たちは生きるためにエネルギーを必要としていることは、周知の事実です。

食べ物から得られるエネルギーや、体の消費エネルギーなどを計算したものが、
「ご飯一杯は約160kcal」とか「基礎代謝量は1500kcal」
といった情報で、これは日常生活の中でもよく見聞きしますよね。

ではそのカロリー=エネルギーとは何か?をもう少し掘り下げて考えてみましょう。

たしかに、何かを動かすことのできる潜在的な力がエネルギーであり、それは熱だったり物が動いたりする「元」ともいえます。
代謝によって生じたエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という形で蓄えられ、そのエネルギー量も、1モルあたりから生じる自由エネルギーは10kcal(キロカロリー)程度、と私たちは教わります。

しかし、なぜATPにエネルギーを蓄えることができるの?
と言われたら、わかるようでわからないような、そんな印象を持ちませんか?

電子の移動で生じる光エネルギーで私たちは生きている

これは、簡単にいうと、ATPという分子のうち、P(リン)という原子が、この分子にくっついたり離れたりする際に行う、電子のやりとりによって生じるエネルギーが元になっています。

ではそのエネルギーは?というと、電子が原子の軌道を移動する際に利用している光(のエネルギー)が元になっています。


この光は、私たちが良く知っている光です。
そして電磁波でもあり、また光子という粒子でもある、量子そのものなのです。

つまり、体の変化は、量子の世界で最初に何かが起こっているからだと考えた方が自然なのです。

続きはこちら 3:分子栄養学と量子生物学との関係

脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説

本記事は、弊社にご協力して下さっている大学教授陣・企業・クリニックなどに適宜取材しながら、極力偏りなく、また出来る範囲で科学的に記載するよう努めております。しかしながら日々、情報が刷新される中で不備が生じる可能性もございます。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

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