1. HOME
  2. ブログ
  3. 子どもの発達
  4. 家庭でできる感染防止対策Ⅲー玄関をリスク軽減区域に

記事

子どもの発達

家庭でできる感染防止対策Ⅲー玄関をリスク軽減区域に

代表小宮です。
30年前、まだ日本ではほとんど手つかずだった「院内感染防止」の考え方やシステム・建築設計などを、アメリカやドイツなどに習い、いち早く日本の病院、主に大学病院の手術部に取り入れていく仕事に携わっていました。
この経験を元に、家庭でできる感染防止対策について、何回かに分けてお伝えしたいと思います。

室内を汚染させる汚染源は人と物

感染防止、といった場合、真っ先に咳やくしゃみを連想するかもしれませんが、人体からは、実は、衣服についたほこりや、衣服自体から出る微細な繊維くず、髪の毛、剥がれ落ちる皮膚などに乗って、そこに付着したウィルスや細菌なども一緒に落ち、空気中に浮遊します。

同じように、特に物の「外装」には、どこからやってきたのか全くルートのわからないものが付着しています。
例えばお菓子のパッケージ一つを取ってみても、ざっと考えてみるに、

その袋を製造・印刷する会社→お菓子製造会社→段ボールなどに入れて出荷→物流倉庫へ→仕入れ元に入荷→小分けし配送会社の倉庫またはトラックへ→各販売店へ→店に陳列

と、細かい違いはあっても、このように多くの人たちや場所を経由してやってきます。

室内を汚染させる最大の汚染源は、実は「人」と「物」なのです。

そのため、手洗いや外出先でのマスク着用にだけ気を付けても、人や物に付着したウィルスや細菌などが大量に運び込まれ、それが閉め切った家の中に浮遊している状況では、感染防止には限界があるのです。

きれいな空気を保つテクニックが必要

逆に言えば、長く過ごすリビングや、特に無防備な状態でいる寝室などは、

・ほこりが舞い上がらないようにや衣類などを減らしつつ掃除する
・人が触るところはこまめにきれいに拭き掃除する
・その部屋に可能な限り外部からの汚染物質を持ち込まないように注意する
・空気清浄機などで換気をする

といったことと、手洗い・マスクなどを合わせることが実は必要なのです。

区域区分という考え方

高度な清潔環境を維持しなくてはならない所=手術部や、精密機械・化粧品製造工場などは、
「区域区分」
という考え方のもとに、人・物の動線(どこから入ってどこから出ていくか)や、室内の空気の清潔度のレベルなどが決まっています。

清潔な区域に入るためには、そのレベルに応じて、

・衣服
・履き物
・持ち込み方

を変えるのです。

そもそも論で構造自体が異なるため、手術部並みには到底、家庭ではできませんが、
「その考え方を応用する」
ことは、全く何もやらない状態に比べ、感染リスクを多少なりとも軽減することに役立ちます。

住宅事情や家族構成によっては難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、出来るところからでいいので、下記の考え方を基準に、応用しながら取り入れてみて下さい。

玄関を1つのゾーンとして扱う

玄関というのは、外と家との間に存在する「緩衝区域(かんしょうくいき)」です。
いきなり外の汚れを家に持ち込まないために汚れを軽減するための場所、と考えて下さい。

帰宅時、玄関前で可能な限りほこりを落とす

これは花粉対策にも役立ちます。
玄関のドアノブや、ポストなどに洋服用のブラシを常設しておいて、帽子やコート、バッグ類などの表面を払い、室内に持ち込むほこりや花粉などの量を可能な限り減らします。

粘着式のコロコロなどを衣服の上から転がすのもおすすめです。
実際に、工場などの清潔区域に入る際には、エアシャワー室に入る前に、可能な限りほこりや髪の毛を取る目的で、体全体にコロコロを転がしたりします。

段ボールなど外から持ち込んだものは玄関へ

ネットショップで注文した品物などが入っている段ボールなどの梱包材は、玄関で開封し、中身だけを室内に持ち込んで、梱包材は玄関から出さないようにし、そのままごみ収集へと出すようにします。
トイレットペーパーやティッシュなど、〇個セットとして売られているもののビニル袋なども、玄関で開けて中身だけを室内へ持ち込むようにすると、多少は違います。

コートや帽子、バッグ類などは玄関に置く

可能な限り上着や帽子、マフラーなど、外で着用していたものは玄関または玄関外で脱ぎ、それらを室内に持ち込まないように玄関に置くようにします。

バッグなどは、どうしても必要な中身だけ持ち、やはり室内には極力持ち込まないようにすると良いです。
バッグをそのままテーブルやベッド、床などに置く習慣がある方は、特に気を付けるようにしましょう。

玄関ホールに突っ張り棒でシャワーカーテンをつける

玄関と各居室のドアが近い、あるいは玄関の空気がそのまま室内に流入するような場合、玄関ホールと廊下などとの間に、つっぱり棒とシャワーカーテンなどで、簡易式の間仕切りを設置すると良いです。

普通の布でできたカーテンでは、繊維の間から容易にほこりなどがすり抜けてしまうので、ビニール式のシャワーカーテンをおすすめします。
できるだけ丈が長く、床と天井に隙間が空かないようにする工夫をして下さい。
完全に空間を仕切ることは無理だと思いますが、全くやらないのと比べると大分違います。

室内履きに履き替える

区域区分を行っている施設では、区域ごとに履き物を変えます。
日本では実は古くから、室内に上がる際には靴を脱ぎ、トイレにはトイレ専用の履き物を履く、といった良い文化があります。

靴下には、足裏から出た皮脂や汗とともに、剥がれ落ちた皮膚、そして履いている靴底にたまった汚れなど、たくさんの汚染物質が付着しています。

よく見かけるのが、子どもであれば学校で上履きに履き替える時、男性であればお取引先様での打ち合わせの際にスリッパに履き替える時など、靴下になった際、履き物を履く前に床に足を着地させてしまうシーンです。

中には、土足で歩くところに靴下のまま足裏を接地させてしまうことも多く、実はこんなところからも、浮遊していて地面に落ちたウィルスや細菌を拾ってしまうこともあるのです。

その足のまま帰宅し、リビングなどを歩き回ると、そこで食事をし、うっかり落ちたものを拾って食べた際、感染しないとも限りません。

パパ、これだけはやめて…

玄関で靴下を脱ぎ足を拭く

極力汚染源を減らす、という意味においては、靴下のまま室内履きに履き替えるよりさらに、玄関で靴下を脱ぎ、足裏や指の間などを使い捨てのウェットシートなどで拭いてから、室内用の、きれいに洗濯済の靴下に履き替えて、さらに室内履きを履くようにすると良いです。

ただあまり神経質になりすぎるのも良くないと思いますので、抵抗力が弱い家族がいるとか、何が何でも絶対に今感染するわけにはいかない、といった場合のご参考にして下さい。

玄関専用の空気清浄機を置く

目的は、最も汚染物質が運び込まれる玄関の空気を、そのまま室内へ流入させないことにつきます。

手術部などでは、清潔な区域に、汚染された空気が逆流しないよう、空調が陽圧に設定されていて、自然と外へ空気が流れるように設計されていますが、一般家庭ではそのような構造にはなっていないので、暮らし方を工夫する以外にありません。

上記のような対策は、玄関に汚染された空気を吸い込んでくれる、しっかりしたフィルター機能を持つ空気清浄機があってこそ、効果を発揮します
できれば玄関には玄関用を設置し、さらに各部屋に1台ずつあるのが理想ですが、効率面から考えると、玄関でいかに汚染物質を減らすか、が一つの大きいキーポイントになってきます。

※:ウィルスは菌とは異なり、細胞を持ちません。人間が感染するウィルスは、人間の細胞に入り込んで、いわば細胞を乗っ取り、増殖していきます。
※:ウィルスや細菌が無機物に付着した場合にどの程度生きながらえるか、については、条件によって異なるため一概には言えませんが、普通は数時間~数日で、栄養源のない無機物上では生存できず死滅します。

家庭でできる感染防止対策Ⅰー除菌について
家庭でできる感染防止対策Ⅱー見落としがちな汚染源

代表プロフィール

 

発達障害や不登校の改善と相談事例多数|専門分野のエキスパート 子どもの発達デザイン研究所TOPへ戻る

関連記事